2012年5月25日金曜日

修士研究経過報告

■はじめに
久々の投稿になりますが、以前行った卒業研究である「~人ははなぜ道に迷うのか~ウェブコンテンツを利用した『迷い』に関する研究」に引き続き、修士研究では実際に地図の提案を行っていきます。 
多岐に渡る分野における人が道に迷う要因についての研究成果に基づき、様々な空間認知を行っているユーザそれぞれに適した地図を提供することにより、あらゆるユーザが利用可能で、自由散策や目的地までの誘導に適した地図情報システムを提案していく方針です。


■関連研究
これまでの関連研究のリサーチより、次のような従来の地図の弱点が挙げられます。

・サーベイマップ型地図は、構造的に空間を認知出来るため、経路のどこに自分がいるのかを認識することができるが、このような名称だけを示した地図からでは、視覚的情報と地図上のランドマークを同定することが難しいため、移動方向を把握できない。
・ルートマップのような3次元的CGによる案内は、外界と対応付けがしやすいが、俯瞰的な情報がないため全体の経路が分からず、移動経路の選択や修正の失敗を引き起こす。
・道に迷いにくい人は、遠距離にある物体に焦点を当てる傾向があり、それにより経路を同定している。一方、迷いやすい人は、近距離視をしがちであるため、サーベイマップ型の地図で経路を同定出来ない。
・パースペクティブな情報と俯瞰的な情報間の対応付けが出来ると、3次元情報を効率的に利用でき、ナビゲーションへの効果が期待できる。
・スタート地点での最初の進行方向と、目的地付近の方向示唆が、ユーザの経路案内を支援するには重要。
・環境に存在する数多くのランドマークをむやみに用いるよりも、視覚的に顕著な特徴を持ち、空間や対象物を弁別する機能を持つ特定の対象物を用いた方が、ルート説明の伝達が促進される。
etc...

以上より、これらの問題を解決するための、地図の表現手法について提案を行い、実装例として、Androidアプリの制作を行います。


■実装例
進捗状況ですが、ナビゲーションと自由散策での2パターンでの利用を想定し、まずはナビゲーションシステムから手法の検討と実装を行っています。

本アプリは、ブラウザ上でHTML5で実装を行い(特にHTML5の恩恵は受けていませんが…。)、Andoridのwebアプリにしています。この背景にはGoogleMapsAPIを用いたかったからという理由があります。そのため、折角のAndroidの地磁気センサが利用できなくなってしまうので、Phonegapを取り入れ、ネイティブアプリ化しています。
詳細は後日ご報告いたします。


今後も本研究に努め、随時、進捗状況をご報告できればと思っておりますので、是非今後にご期待下さい。
以上、乱文にて失礼いたします。